ごあいさつ 君津中央病院 病院長 海保 隆 |
私が当院に赴任しもう30年近く経ちますが、この間医療を取り巻く環境が大きく変わりました。皆さんのご存じの通り、令和元年には房総半島は台風15号の直撃を受け、暴風雨により長期にわたる停電被害を経験しました。また令和2年初頭に始まった新型コロナ感染症のパンデミックは、3年以上にわたり猛威をふるい、現在次第に収束しつつありますが、今しばらくウィズコロナの状態が続くものと思われます。当院は、地域の基幹中核病院としてその責務を果たすべく日夜頑張っております。 “丘の上”の旧病院から、平成15年夏に現在の新病院へ移転し、変遷する医療需要に対応してまいりました。その後も血液浄化センターの増設、ドクターヘリの導入、手術支援ロボット“ダ・ビンチ”の導入、電子カルテシステムの更新、心臓カテーテル検査室の増設等、地域の皆様に最先端の医療を安心安全にご提供できるよう日々努力を重ねています。 千葉県は人口当たりの医師数、看護師数、病床数が全国でも下から3つに入る医療過疎県です。県内でも多くの医療機関が千葉市より東京よりに集中するという地域偏在もあり、当院の位置する房総半島は全国でも指折りの医療過疎地域です。少ない医療資源をどのように活用していくかが今後喫緊の課題で、そのためには当院と市内の医療機関との連携が不可欠となります。“地域包括医療・ケア”という言葉が叫ばれて久しくなりますが、今後の高齢者人口の増加を見据え、高齢者が人生の最後まで住み慣れた地域で自分らしい暮らしを続けるための必要な支援体制を整えなければなりません。そのためには、当院と地域医療機関、市の行政、在宅支援サービス等との連携が必須で、こうした将来展望を抱きながら病院運営に携わる所存です。 |