臨床研修責任者ごあいさつ

プログラム責任者からのメッセージ

医務局次長・臨床研修センター長 山本雅史

君津中央病院の概要 -発展を続ける病院

yamamoto 君津中央病院は、東京湾アクアラインの千葉県側起点にある国保直営総合病院です。羽田空港から車で25分と非常にアクセスの良い病院です。内房地区の基幹病院として40の診療科を擁し、先端医療・高度医療の提供を目指す一方で、患者さん本位の医療を提供するように心がける姿勢(公立病院ですので、利潤を追求することがない)が、患者さんやそのご家族からの厚い信頼を集めています。さらに、重度の外傷や腹痛、胸痛の緊急症例、異常分娩や未熟児対応なども行うことができる内房地区唯一の第3次救急病院として地域の急性期医療を担っており、例えば冠動脈形成術450件/年、急性心筋梗塞緊急カテは130件/年を数えます。平成21年1月からは、千葉県2番目のドクターヘリ基地病院として県内の救急患者の対応に取り組むとともに、平成23年5月には血液浄化療法室と化学療法室からなる通院治療センターを開設しています。

臨床研修制度の変更

さて、平成16年度に導入され、平成22年度に改変が行われた臨床研修制度ですが、令和2年度からガイドラインが新たになって大きく変わりました。臨床研修の目標到達に向けた方略が重要であるとの認識から、一旦必修科目から外された小児科、産婦人科が必修項目に復活するとともに、新たに外科が必修項目に追加されました。また、一般外来での研修が必修化されたのも大きな変更点です。この一般外来研修で、「救急外来では学べない」総合的な疾病・病態のとらえ方を学んで欲しいと考えられています。

「幅広いプライマリーケアの研修」と「専門医へ早めのスタート」の両方が可能な研修体制

当院は患者数の多さと疾病の多様性に関しては、千葉県内でも上位に入る病院です。救急外来では、さまざまな疾患を見ることができます。さらに、精神科や地域保健など特殊分野を研修したい、と希望する人のために、従来の協力病院(精神科)や協力施設(分院、北海道日高の病院、保健センターなど)も、引き続き提携しています。君津中央病院は診療科の多さから常勤医だけでも165名ほど在籍しています。さらに診療科間の垣根が低く気さくな指導医が多いことから、どの科で研修している時でも、他科のスペシャリストに気軽に相談し、勉強できるというメリットがあります。すなわち、研修制度は変更されても、広く到達目標をクリアするための研修も可能ですし、一方では、なるべく早く専門の道を歩み始めたいと思っている人には、それぞれの専門科でエキスパートとしての第一歩を歩みだすことも可能です。このように、当院では必ずや皆さまに満足いただける研修ができると確信しています。


従来好評であったモットー「個々の研修医のニーズに合わせたテーラーメード研修」は継続

当院では、従来「個々の研修医のニーズに合わせた研修カリキュラムの設定」をモットーに研修を行ってきましたが、現在もその方針に変わりはありません。それぞれの研修医が何を勉強したいのかによってカリキュラムを組んでいます。研修中に「あの科も見てみたい」と気持ちが変わる人 も少なくありません。当院では、年度途中の研修科の変更にもできる限り対応しており、この点は歴代の研修医に大きな評価を受けております。当院は皆さまの希望に沿った研修を提供していると自負しています。


日常診療以外の充実した研修

当院ではさまざまな学術活動を推奨しています。当院独自の研修医向けカンファレンス(講義)が40回ほどあり、経験豊富な各診療科の医師から 臨床ですぐに役立つ知識を聞くことができます。 また、全職員向け院内勉強会や外部講師による講演会、CPCはもちろん、さらに地域医師会主催の講演会にも無料で参加できるなど、日常診療以外の勉学の機会を多く準備していますので、あなたのやる気に必ず答えられます。また、将来の専門医取得に必修とされる医療倫理・感染対策・医療安全に関する共通講習は、専門医機構に申請の上で開催していますので、皆さんのキャリアアップに役立つことと思います。世の中にはいろいろな病院がありますが、「研修医は自分で勉強するものだ」というスタンスの病院をいくつか経験したことがあります。日々の忙しい臨床経験の中で、効率よく様々な知識や手技が経験できる当院での研修は、「君津で研修して良かった」という諸先輩の言葉に集約されているのではないかと自負しています。