初期研修プログラムの概要
-研修プログラム-
君津中央病院臨床研修は、地域中核病院の君津中央病院、地域の精神科医療を担う同仁会木更津病院及びさつき会袖ケ浦さつき台病院、地域保健・医療の協力施設となる千葉県君津健康福祉センター(君津保健所)、新都市医療研究会「君津」会玄々堂君津病院、日高徳洲会病院及び君津中央病院大佐和分院からなっている。
これらの施設の特徴を生かして、各施設が一体となった質の高い卒後臨床研修プログラムを提供する。そして、医師は患者の人権を守り疾病を治療する、国民に奉仕する職業であることを徹底的に教育する。その結果として、質の高い、患者の立場に立った、医療を総合的に判断できる臨床医師を養成し、多くの優秀な医師を世に送り出すことを目指している。
1.研修システムの特徴
君津中央病院、君津中央病院大佐和分院、木更津病院又は袖ケ浦さつき台病院(どちらか1つ)、玄々堂君津病院、日高徳洲会病院及び君津健康福祉センター(希望者)のローテーション研修により幅広い臨床研修を積むことができる。
- 救急医療について、救命救急センターを有する君津中央病院で学ぶ
- 第一線の小児医療を、小児救急医療拠点病院である君津中央病院で学ぶ
- 終末期医療及び緩和医療を、君津中央病院で学ぶ
- 地域医療、在宅医療・医療連携を、玄々堂君津病院、日高徳洲会病院又は君津中央病院大佐和分院で学ぶ
- 精神科救急の概要と主な精神疾患のプライマリーケアを、木更津病院で学ぶ
- 痴呆性疾患と精神科身体合併症の医療を、袖ケ浦さつき台病院で学ぶ
- 医療情報の収集法を、君津中央病院で学ぶ
- 地域保健研修を、君津健康福祉センターで学ぶ
2.研修プログラムの特徴
- 患者の人権を配慮した全人的医療の基礎を学ぶ
- チーム医療の重要性を学ぶ
- 患者の診察法、medical interview法を特に重点的に学ぶ
- 君津中央病院、木更津病院及び袖ケ浦さつき台病院で行われている医療を通じ、evidence based medicineの重要性を学ぶ
- 指導医や君津中央病院医事課と共に保険診療の実際を学ぶ
- 君津健康福祉センターを通じて、地域の保健・福祉との連携について学ぶ
3.研修目標
臨床研修は、医師が医師としての人格を涵養し、将来専門とする分野にかかわらず、医学及び医療の果たすべき社会的役割を認識しつつ、一般的な診療において負傷又は疾病に適切に対応できるよう、基本的な診療能力を身につけることのできるものでなければならない。臨床研修の一般目標は、以下のとおりである。
- 医師は、患者の権利を守り疾病を治療する、国民に奉仕する職業であることを徹底する。
- 臨床医に求められる基本的臨床能力(知識、技能、態度、判断力)を身につけ、緊急を要する疾病や外傷、頻度の高い症状・病態に対する初期診療能力を身につける。
- 患者の有する問題を身体的、精神心理的及び社会的側面から全人的に理解し、適切に対処できる能力を身につける。
- 患者及び家族との望ましい人間関係を確立しようとする態度を身につける。
- 慢性疾患や高齢患者の診断、治療、予防、在宅医療やリハビリテーション・社会復帰につき、総合的な管理計画に参画できる。
- 末期患者を全人的に理解し、身体症状のコントロールだけでなく、心理的側面、社会的側面、死生観、宗教観などの側面へも対処できる。
- チーム医療の原則を理解し、他の医療メンバーと強調できる。
- 適切なタイミングで、コンサルテーションや患者紹介ができる。
- 診療録やその他の医療記録を適切に作成できる。
- 保険診療や医療に関する法令を遵守できる。
- 自己評価を行い、第三者による評価を受け入れ、診療にフィードバックする態度を身につける。
- 生涯にわたる自己学習の習慣を身につける。
4.研修スケジュール
|
期間 | 研修分野 | 病院・施設 |
1 年 目 |
24週以上 |
内科(※1) |
君津中央病院 |
12週以上 | 救急部門 | 君津中央病院 | |
4週以上 | 外科(※2) | 君津中央病院 | |
4週以上 |
小児科 |
君津中央病院 | |
4週以上 | 産婦人科 | 君津中央病院 | |
4週以上 | 精神科 | 木更津病院又は袖ケ浦さつき台病院 | |
2 年 目 |
4週以上 |
地域医療 |
君津中央病院大佐和分院 |
48週以上 |
選択科目(※3) |
君津中央病院 |
■必修科目 ■選択科目
※1 脳神経内科、呼吸器内科、消化器内科、循環器内科、糖尿病・内分泌・代謝内科、総合診療科、膠原病内科から3診療科を選択し、各科8週以上研修すること。
※2 消化器外科、形成外科、整形外科、呼吸器外科、脳神経外科、心臓血管外科から1診療科を選択すること。
※3 脳神経内科、呼吸器内科、消化器内科、循環器内科、糖尿病・内分泌・代謝内科、総合診療科、膠原病内科、消化器外科、形成外科、整形外科、呼吸器外科、脳神経外科、心臓血管外科、小児科、新生児科、小児外科、産婦人科、泌尿器科、耳鼻いんこう科、眼科、皮膚科、放射線科、精神科、救急・集中治療科、麻酔科、病理診断科、リハビリテーション科、地域医療、保険・医療行政の中から希望する診療科を選択することができる。研修期間は、各科で異なるが、最低でも2週間以上が望ましい。
※4 1年次に選択できなかった必修科目については、2年次の選択科目期間で必ず研修すること。
※5 2年次に、麻酔科を4週間以上回ることを推奨する。
初期研修医ローテーション(例)
1~24週 | 25~36週 | 37~40週 | 41~44週 | 45~48週 | 49~52週 | ||
1年次 | 内科 | 救急部門 | 外科 | 小児科 | 産婦人科 | 精神科 | |
1~4週 | 5~52週 | ||||||
2年次 | 地域医療 |
選択科目 |
上記のうち、内科、小児科、地域医療の研修期間で一般外来研修を計4週以上となるよう行う。
ローテーションする科の選択及び順番は、研修医の希望を最大限尊重し決定する。