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術中3D画像を利用したナビゲーションシステムが導入されました(H29.09.25)

術中3D画像を利用したナビゲーションシステム

 平成29年4月より脊椎手術に最新式の手術支援システム~3Dナビゲーションシステムが導入されました。
専用機械KICK PURELY NAVIGATION
 インプラントを使用する手術の場合には、手術前の画像検査情報を用いて手術計画を適切に実施できることに加えて、手術中に取得した3D画像を使用してスクリュー挿入の画像支援を得ることができます。このシステムを利用することによりスクリューの設置位置や方向が手術部位のどこに該当するのかをレントゲン透視画像を使用せずにリアルタイムで確認することができるようになりました。
 インプラントを使用しない手術においても、術者が手術している部位が脊椎のどの部分に該当するのかを確認することによって、神経の除圧など手術範囲が十分かどうかをより詳細に確認することが可能となりました。
 3Dナビゲーションを実施する際には、術前の画像情報と手術室で取得した3D画像とを重ね合わせる(CTフュージョン)ことで、手術中の3D画像単独よりも鮮明な画像で正確な手術支援を得ることも可能となっています。また専用の機械を使用することにより操作の簡略化も図られています。
 術中3D画像を利用したナビゲーションシステムが導入されたことにより、手術中に術者がより適切な手術部位情報が得られるようになり、患者さんのレントゲン照射量も低減され、より安全で低侵襲な手術を実践していくことができるようになりました。
当院整形外科ナビゲーションシステム

(上図ブレインラボ株式会社ホームページ、 シーメンスヘルスケア株式会社ホームページより掲載引用)

小児骨長管骨骨折の治療器具Elastic Stable Intramedullary Nail(ESIN)システム

 小児における骨折治療は、ギブス固定が一般的に行われております。もちろん、骨端線が閉鎖する以前では、多少の骨折変形があっても自家矯正能力があり、変形が改善することが期待できます。しかしながら、骨折部が骨端線から遠ければ遠いほど許容範囲は小さくなります。また、不安定性の強い粉砕骨折、開放骨折などはギブス固定などの保存治療では限界があり手術が選択されることになります。現在まで当院では、小児長管骨骨折では、ギブス固定、経皮的ピンニングやEnder釘を症例に応じて行っていました。ただし、術後もギブス固定が必要だったり、下肢に関しては4~6週間程度の荷重制限が必要であったり、本人やご家族の負担となっていることが多かったことと思います。
esin そこで、今回導入した小児長管骨骨折の治療器具であるESINシステムは、最小侵襲に手術が可能であり、骨折部の高い安定性が得られるため、術後ギブス固定はほとんど不要で、比較的早期(1~2週間)から荷重開始が許可できるシステムです。但し、骨癒合後(術後約6か月後)にNailを抜去する必要があります。
適応は3歳以上の小児骨折で、前腕骨・上腕骨・大腿骨・下腿骨の骨幹部骨折、一部の骨幹端部および骨端部骨折となります。
 日本では、ESINシステムについての研修を受けた医師しか手術を行うことができないため、全ての施設で行えるわけではございません。当院では、千葉県内で唯一ESINシステムを導入している施設であります。
 今後、本システムにより小児長管骨骨折の治療方法が目覚ましく発展進歩すると思われます。是非、患者様およびご家族のためにも当システムにおける治療を周知させていただきたいと思います。 近隣の病院様からのご相談およびご紹介をお待ちしております。

 

君津中央病院整形外科 藤由崇之

(上図DePuy Synthes社のカタログ
Titanium/Stainless Steel Elastic Nail System.For elastic stable intramedullary nailing (ESIN)より掲載引用)


2024年5月2日定期更新実施

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