君津中央病院公式サイト

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言語聴覚室

失語症部門

少子高齢化が進み、膨れあがる社会保障費を緩和するために様々な策が講じられています。その中の取り組みの1つとして、厚生労働省・総務省・経済産業省では「ICT技術を活用した健康・医療・介護分野におけるICT化の推進」を推奨しています。
私たち君津中央病院の言語聴覚室では、言語障害のある方々に、ICT技術を活用して、今まで通りの質の高い言語訓練サービスの提供や、医療・介護保険に頼らなくても、いつまでも安心して言語訓練が継続できる環境作りの実現を目指しています。

研究業績

ICTを活用した遠隔での言語訓練を開発[共同研究(産学連携):千葉大学、(株)ロボキュア*]

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【概念図:ロボキュア社提供】

 

・第44回日本コミュニケーション障害学会 【当院外来でのICT機器による遠隔言語訓練の試み】

#遠隔での言語訓練が可能となる『ハナセル』」についてはこちら

 

 

ICTによる言語訓練の開発[共同研究(産学連携):千葉大学、(株)ロボキュア*]

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君津中央病院では、言語聴覚士の村西幸代氏と、失語症を克服した石畑恭平氏がタッグを組み、ヒト型ロボット「ペッパー」による言語訓練の開発を行っている。
石畑氏は、高等専門学校のときに病気となり、村西氏に言語訓練を受けていた。その後、千葉大学大学院を経て、ゲームアプリ開発の仕事に就いていた。2012年に同大学の教授からICTによる言語訓練開発の誘いをうけ、村西氏と何十年振りに偶然再開することとなった。
ペッパーは、失語症者の発語に対して、「正解です」「おしいです」「ちょっと違うかな」など、さまざまなリアクションをする。臨床試験では、対ロボットだからこそ行える膨大な練習により、失語症者の4名中3名の言語機能が改善する結果となった。
村西氏は、「言語聴覚士は単語を発音してもらうような基礎訓練では無く、より高度な訓練に重点を置ける」と期待している。

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・第56回全国自治学会 【ICTロボットによる言語訓練の試み】
・第43回日本コミュニケーション障害学会 【ICT機器による言語訓練の可能性を考える-ICTロボットによる言語訓練の試み】

 
 

失語症者向けAndroid用アプリ『ナースコールApp(無料)』の開発[共同研究(産学連携):千葉大学、(株)ロボキュア*]

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・第18回日本言語聴覚学会【ナースコールアプリに関する研究】
・第57回全国国保地域医療学会【ナースコール使用のための言語訓練】

 

嚥下 部門

団塊の世代が後期高齢者となる2025年には、誤嚥性肺炎による死因が急増すると予想されています。そのため、保険・医療・介護の分野では、迅速で且つ、正確に誤嚥を見極めることの出来る嚥下スクリーニング検査の確立が求められています。
私たち言語聴覚室では、嚥下スクリーニング検査の精度をより高いものとするために、日々の臨床をデータ化し検証を行っています。また新たな検査や訓練の開発を大学と共に行うなど、誰もが安心して食事を楽しむことの出来る環境作りの実現を目指しています。

研究業績

 

咽喉マイクによる嚥下動態の音響的評価[共同研究:静岡大学、千葉大学]

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・第18回日本言語聴覚学会 【咽喉マイクを使用した摂食嚥下健診用アプリ】
・第23回摂食嚥下リハビリテーション学会【食道入口部通過時に発生する嚥下音の分析】

 

 

咳テストによる経口摂取可否の判定

・第41回嚥下医学会【急性期における咳テストの検討】

 

 

誤嚥性肺炎の鑑別

・第44回日本コミュニケーション障害学会 【ST介入後に誤嚥性肺炎となった患者の臨床的特徴】

 

過去の主な業績

原著

Furukawa D, Yamanaka Y, Kasai H, Urushibara T, Ishiwata T, Muranishi S. Temporal characteristics of aspiration pneumonia in elderly inpatients: From resumption of oral intake to onset. PLoS One. 2022. 14;17(4)

村西幸代, 河村満:左被殻病変における構音の障害 3症例での検討.失語症研究,18巻2号,Page169-177,1998

上原利江子, 村西幸代, 河村満:プロソディーの障害が著明に認められた左中心領域下部病変例.音声言語医学39巻3号,Page286-290,1998

古川大輔, 村西幸代, 宇野園子:失語症者からの話の聴き取り方 失語症の臨床経験年数による差異‐.言語聴覚研究4巻:159-166,2007

古川大輔,村西幸代,金子義信:一慢性期失語症者の言語生活の実態調査‐1週間の録音調査および行動調査から‐.言語聴覚研究7巻:201-209,2010

古川大輔, 村西幸代, 石渡智一,ほか:咽喉マイクを使用した摂食嚥下健診用アプリの開発. 全国自治体病院協議会雑誌,57巻4号,617-621,2018


書籍

村西幸代、鈴木勉(編著)、上杉由美、岡田澄子、鈴木和子、鈴木勉、高橋雅子、鶴田薫、西脇恵子、橋本愛、吉畑博代:失語症訓練の考え方と実際-新人STへのヒント-.重度失語症者に対する言語訓練:85-104,三輪書店,2010

村西幸代,吉畑博代:言語聴覚士のためのAAC入門,第5章 失語症と発語失行におけるAAC,協同医書出版社,pp186-225,2017

村西幸代,髙山亜希子,上杉由美,鈴木和子,井上澄香:CD版そのまま使える失語症教材①,文章読解,株式会社エスコアール,2018


開催学会

村西幸代:第42回日本コミュニケーション障害学会 学会長.千葉県,2016,5,14-15


2024年1月19日 更新