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心筋梗塞から身を守ろう


現代の日本における三大死因は、以前はがん、心臓病、脳卒中の順で、最近はがん、心臓病、肺炎の順です。がんは胃、肺をはじめ全身のいろいろな臓器に発生しますので、単独の臓器で最も死亡原因となることが多いのは心臓病ということになります。その心臓病のうち約半数が心筋梗塞およびその合併症によるものです。ここでは心筋梗塞の予防、最近の治療などについて述べさせていただきます。

心筋梗塞とは  
 心筋梗塞とは心臓を栄養する血管である冠動脈の一部がつまってしまい、心筋に血液が供給されなくなり、その結果心筋の一部が壊死してしまう病気です。発症したときの症状は強い胸の圧迫感、締め付けられ感が中心で、左肩や左上肢にも痛みが拡がる場合があります。また、このときには強い不安や死の恐怖感を伴うこともしばしばみられます。症状は30分以上、時には数時間にわたって続きます。胸痛の程度には個人差があり、糖尿病の人などでは痛みをほとんど感じない場合もあります。

心筋梗塞の予防
 心筋梗塞は冠動脈の動脈硬化がおもな原因ですので、動脈硬化の危険因子である加齢、高コレステロール血症、高血圧、糖尿病、喫煙、肥満などが危険因子となります。年をとることは避けられませんのでそれ以外の因子を少しでも減らすように努力しましょう。たとえば血清コレステロール値220mg/dl未満の人と比較すると240mg/dl以上の人では2.6倍、260mg/dl以上の人では4.0倍のリスクがあります。血圧が10mmHg上昇すると1.16〜1.4倍のリスク、糖尿病では約3.1倍、たばこを一日一本以上吸うと2.1倍、25本以上吸うと2.9倍のリスク、体重が1Kg増加すると1〜1.5%リスクが増加するとされています。禁煙と体重のコントロールは病院に行かなくてもご自分でできると思います。どうしてもできなければ禁煙外来を受診される、あるいは病院の栄養士さんから栄養指導を受けることができます。コレステロール、血圧、糖尿病などは健康診断を受けて、かかりつけの先生と相談して治療の必要な方は治療を受けてください。
 お酒については、以前赤ワイン健康法が流行したことを覚えている方もおられるかと思います。その後の多くの研究においてお酒の種類によらず少量のアルコールを摂取することが心筋梗塞の予防に有効であるとされています。もちろん飲み過ぎは高血圧、糖尿病、肥満、発がんなどに悪影響がありますし、飲めない方がお酒を飲むのも健康に悪いので注意してください。

心筋梗塞の治療  
 急性心筋梗塞は死亡率の高い病気であり、病院に到着する前に死亡することも多いため真の死亡率ははっきりしていません。病院に到着することができた場合は、その病院の機能によって死亡率が異なります。1960年代の院内死亡率は29%、1970年代は21%とされており、特別の機能を持たない病院では現在でもこの程度と思われます。院内死亡率が劇的に改善したのはCCU(冠動脈疾患治療ユニット)が登場してからです。CCUでは不整脈対策などを中心とした集中的な治療がおこなわれ、急性心筋梗塞の患者さんをCCUに収容することにより院内死亡率は10%以下に低下します。君津中央病院では以前はICU(集中治療室)の一部を借りる形で急性心筋梗塞の患者さんを収容していましたのでベッド数が足りず、患者さんを他の病院に転送することがありました。現病院では独立したCCUができましたのでそのようなことはかなり少なくなっています。
 当院における急性期心筋梗塞の治療ですが、まず救急外来で急性心筋梗塞の診断を行います。急性心筋梗塞の診断となった場合は心臓カテーテル室で冠動脈のどの部分が閉塞しているかを検査し、可能な限り閉塞した血管をカテーテルなどを使用して拡げる治療をおこなっています。さらに拡張した血管が再び狭くなることを予防するためにステントと呼ばれる金属の筒を血管に植え込みます。このような早期の血流再開によって心筋梗塞の範囲が小さくなり、退院後の心機能の改善が望めます。続いてCCUに収容して急性期の不整脈や心不全の管理をおこないます。以前は急性心筋梗塞による死亡の約半分が致死的不整脈によるものでしたが、CCUでの管理によって不整脈死はきわめて少なくなりました。しかしながら心不全や心臓破裂といったことによる死亡はCCUがあってもなかなかコントロール困難です。その後一般病棟に移ってリハビリテーションをおこなってから退院することになります。入院期間は病状によって異なりますが1〜2週間程度となります。

まとめ  
 心筋梗塞は危険性の高い病気ですので日常生活に注意して予防することが最も大切です。もし心筋梗塞になってしまった場合は初期の治療が重要ですから、がまんすることなくすぐに救急隊に連絡をして病院に行くことです。

副院長 君津中央病院附属看護学校長    氷見寿治

 


2018年05月31日定期確認実施

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