脳神経外科(外来16)
診療内容と特徴
「脳神経外科」とは、国民病とも言える脳卒中(くも膜下出血、脳内出血、脳梗塞)をはじめ、頭部外傷、脳腫瘍などの重篤な疾患から片頭痛などの慢性の頭痛、顔面けいれん、三叉神経痛などまで幅広く診療しております。当院は千葉県の内房エリアの中核をなす3次救急病院で、救急部との連携により24時間体制で救急患者に対応しております。
また、いわゆる認知症や脳梗塞による麻痺と思われている患者さまの中には、比較的簡単な手術により回復する疾患が潜んでおりますので、一度精密検査を受けることを是非お勧めいたします。最新の設備による正確な診断、安全な手術を提供します。
昭和50年の脳神経外科創設以来30年間、地域の脳神経外科疾患診療の中心として、一般外来診療から救急診療までカバーして参りました。
特に救急診療は、三次救急を担う救命救急センターの役割を果たすため、24時間態勢で重症の脳神経疾患の患者様を受け入れています。
現在は5名の常勤医と非常勤医師2名が勤務していますが、そのうち5名が脳神経外科専門医となっています。
当科の診療実績は入院患者数、外来患者数、手術件数すべてにおいて千葉大学脳神経外科教室の研修・関連20施設の中で、1,2を争う数値を上げるほど、活発に診療を行っており、日本脳神経外科学会の研修プログラム病院となっています。
脳神経外科が扱う疾患として多いものは脳卒中(くも膜下出血、脳出血、脳梗塞など)、脳腫瘍、頭部外傷が挙げられます。
脳卒中は国民の死亡原因の第3位、介護が必要となった原因の第1位となっています。
くも膜下出血ですが、原因としては脳動脈の一部が風船のように膨らんでできた動脈瘤(どうみゃくりゅう)の破裂によるものが大部分です。再破裂をおこすと致命的になることが多いため、できるだけ早く治療しなければいけませんが、その方法には現在2つのやり方があります。
1つはクリッピング術といって頭の骨を開けて処理する方法で、もう1つがカテーテルを使った血管内治療という方法です。
どちらの方法にも長所、短所がありますが、当院では脳神経管内治療専門医が3名おり、個々の患者様の病態に合わせて選択するというのが我々の方針です。
ここ数年、年間50名前後の患者様の治療をおこなっていますが、その治療成績は、手術前の状態が比較的良好なグループでは9割がた社会復帰をはたされています。最近、脳ドックなどにより脳動脈瘤が破裂前に発見されることが多くなりました。
その治療方針については、患者様やご家族の方とよく話し合って決めさせていただいておりますが、他の病院の医師のセカンドオピニオンを聞きたいというご希望に対しても積極的に協力させていただいております。
脳梗塞も脳出血もともに急に出現する手足の麻痺やしびれ感、言語障害を呈するため症状だけからはどちらの疾患か判断がつきにくいことが多いのですが、その治療法はまったく異なります。2005年より日本でも認められた脳梗塞に対する新しい治療法(t-PA静注療法)により、発症4.5時間以内に開始した場合予後改善が望めます。また、発症から4.5時間以内に病院へ運ばれてt-PA静注療法をうけたが良くならない患者さんや、発症から8時間以内の脳梗塞患者さんに、カテーテルを用いて脳の血管の詰まった部分の血栓を取り出す方法が本邦でも認可されました。とくに脳の太い血管(内頸動脈、中大脳動脈、椎骨・脳底動脈)に詰まった大きな血栓を除去するのに有効ではないかと期待されています。その治療法の恩恵を受けるためにも、突然の顔、手足の脱力、しびれ感、言葉が喋りにくい、ものが見えにくいなどの症状がでたら、自宅で様子を見たりしないで急 いで当院を受診していただきたいと思います。現時点でそのt-PA静注療法やカテーテルによる血栓除去による脳梗塞治療を行えるのは、君津医療圏の4市では当院だけです。
脳血管障害だけを見ても我々の果たさなければならない責任はますます大きくなってきていると自覚しております。 ⇒脳卒中について
日本脳神経外科学会データベース研究事業(JND)への参加について
現在、当院では「日本脳神経外科学会データベース研究事業(Japan Neurosurgical Database:JND)」に協力しています。
2018年1月から当院脳神経外科に入院された患者さんの臨床データを解析させていただき、脳神経外科医療の質の評価に役立てることを目的としています。
解析にあたって提供するデータは、提供前に個人を特定できない形に加工した上で提供しますので、患者さんの個人のプライバシーは完全に保護されます。
本研究の解析に自分のデータを使用されることを拒否される方は、当事業実施責任者・脳神経外科 早坂典洋 医師にその旨お申し出くださいますよう、お願いいたします。
その他、研究事業についての資料の閲覧を希望される方は、日本脳神経外科学会ホームページをご参照ください。
ご参考:一般社団法人日本脳神経外科学会ホームページ(研究情報の公開について)
診療時間・担当医師のご案内
診療スタッフ紹介
氏名 | 早坂 典洋 | |
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職名 | 医務局脳神経外科部長、科長 | |
出身校(卒業年) | 山形大学(平成6年) | |
認定資格等 | 日本脳神経外科学会専門医・指導医 日本脳神経血管内治療学会専門医 日本脳卒中学会専門医・指導医 |
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専門分野・研究分野 | 脳血管障害(脳動脈瘤)、血管内治療 脳腫瘍、整容的脳神経外科 |
氏名 | 海老原 幸一 | |
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職名 | 医務局脳神経外科部長 | |
出身校(卒業年) | 秋田大学(平成13年) | |
認定資格等 | 日本脳神経外科学会専門医・指導医 日本脳神経血管内治療学会専門医 日本脳卒中学会専門医・指導医 日本脳神経外傷認定指導医 脳卒中の外科技術認定 |
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専門分野・研究分野 | 脳血管障害、血管内治療、脳腫瘍 頭部外傷 |
氏名 | 横山 大騎 | |
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職名 | 医務局脳神経外科医長 | |
出身校(卒業年) | 千葉大学(平成28年) | |
認定資格等 | 日本脳神経外科学会専門医 血栓回収療法実施医 |
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専門分野・研究分野 | 脳血管障害、血管外科、小開頭手術 |
氏名 | 持田 裕介 | |
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職名 | 後期臨床研修医 | |
出身校(卒業年) | 新潟大学(令和2年) | |
認定資格等 | ||
専門分野・研究分野 | 脳外科一般 |
氏名 | 久保田 理沙 | |
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職名 | 後期臨床研修医 | |
出身校(卒業年) | 福井大学(令和3年) | |
認定資格等 | ||
専門分野・研究分野 | 脳外科一般 |
氏名 | 岡 陽一 | |
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職名 | ||
出身校(卒業年) | 千葉大学(昭和56年) | |
認定資格等 | 日本脳神経外科学会専門医 | |
専門分野・研究分野 | 脳神経外科全般 |
氏名 | 須田 純夫 | |
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職名 | ||
出身校(卒業年) | 千葉大学(昭和52年) | |
認定資格等 | 日本脳神経外科学会専門医・指導医 | |
専門分野・研究分野 | 脳血管障害、脳腫瘍、機能的脳神経外科(顔面けいれん、三叉神経痛) |
診療実績
2024年4月26日 定期更新実施